貴方へ Ⅳ
ビジネスホテル
家から車で1時間くらいの駅近くに見つけ、1週間の滞在の予約をした
身の回りの物は殆ど車に積んできた
ものの見事に簡単に纏められた荷物は段ボールが2つ・・・後部座席に乗せた
着替えと化粧品、普段持ち歩いているバック
それだけを持ってフロントで名前を書き、1週間分の料金を現金で払った
カードキーを受け取り、エレベーターに乗り込み指定の部屋へ
部屋に入るとシングルの部屋なのに大き目のベットがあり、
カーテンが開いた窓からはちょど夕焼けが見えた
何年振りだろう、夕日を眺めるなんて・・・
いや、見てはいたんだろうが心には刻まれてなかったんだ
季節の移り変わりも、こんな風にスルーしながら生きてきたんだな
荷物を机に置き、ベットに横になるとホッとしたのかお腹が空いてきた
フロントで近くで食事ができるお店とコンビニの場所を聞いて出かけた
迷ったが、コンビニでお弁当と昔よく飲んだハイボールの缶と
ポテチとあたりめ、マヨネーズと醤油を買い部屋に戻った
財布には自分のお給料を全部入れてきたがすでに残りは半分だ
だが、気にならない
携帯の電源は切ったまま
マヨネーズと醤油を部屋に置いてあった紙コップの中で混ぜ
あたりめにつけながら食べ、ハイボールを飲んだ
テレビを点け、好きな番組を見ながら自由に好きな物を食べる
至福の時だ・・幸せ
こんな事も、私には許されなかった
こんな時間も作る事が出来なかった
不思議と義母と旦那の事は何も気にならなかった
今、1人の時間を本当に嬉しく思っている私がそこにいた。
さあ、明日はどう過ごそう。