hanaremon’s blog

小説や詩のブログ

貴方へ Ⅴ

久しぶりのお酒にほろ酔いで気分が良くなり

そのまま着替えずに寝てしまった

テレビも電気も点けっぱなしで・・

目が覚めたのは朝の6時

「あっ、寝坊した・・お弁当!」と思い飛び起きた

少々パニクッたが、ホテルの部屋だと分ってホッとした

ホテルの朝ごはんは6時から9時まで・・・ロビーの一角で食べられる

それも無料・・・食べても食べなくてもいい

少し時間もある事だしと、朝からお風呂にお湯を入れだした

その間に持ってきた服をハンガーにかけ、化粧品を出し

携帯を机の上に置いた

夫との決戦の日まで電源を入れる事は無い

お風呂に入って、さっぱりして8時半ごろ朝食を食べに1階へ行った

スーツ姿の会社員、旅行であろう老夫婦、仲間で食べている外人さん達

工事現場の人らしき男性、お洒落なワンピースの若い女

色んな人が泊っているものだ

私もお盆を持ってご飯、お味噌汁、ウインナーコロッケ、大根切干、漬物、お茶

を乗せて、1人席に座った

緊張もあったが、他の人はみんな他人・・誰の事も知らない

私の事も誰も知らない・・・居心地が良かった

私の今までの事も、今なぜここにいるのかも知らない人たちの中で

遠慮も我慢もしなくていい、気を使う事もないこの場所が気持ち良かった

いつもと違い、食欲もありご飯をお代わりした位だ

食べ終わって、食器を片付けながら「ご馳走様」と係りの人に言う

「ありがとうございます」と返事が返ってくる

当たり前の事なのに心地いい

 

部屋に戻ってベットに座った

部屋の壁にある大きな鏡に自分の顔が映る

昨日の夜に見た自分の顔と今の顔は違う様な気がする

たった1日・・・1日だけど昨日の私とは違うと言う事なのかな

1週間後、携帯の電源を入れる時には今までの私では無い

必ず後悔させて別れる

私という存在を分からせてから・・・・。