hanaremon’s blog

小説や詩のブログ

貴方へ Ⅱ

 

家に帰り着き、真っ先にしたのは自分の荷物の確認

今更ですが、自分だけの物がこんなに少なかったのかと驚きました

季節毎に枚数を数えると冬の上着が5枚、ジーパンとスカートが合わせて4枚

夏物も似たような物・・合いの服も下着も少ない

お化粧品も小さなポーチに入ってしまうくらい

靴も年間通して3足

好きな本も売ってしまって数冊しか残ってない

同居する時に家財道具も売ってしまって、今使っている物は義母の物

食器もキッチン用品も義母の趣味

布団までもお客さん用のお下がり・・・

お風呂で使うフェイスタオルもバスタオルも、

シャンプーやボディソープまでも旦那の趣味で私の好きな物ではない

どこを探しても、自分の趣味や好きな物がない

強いて言うなら「歯ブラシ」位

いったい私は、この家でなぜ暮らしているのだろう

今になって沸々と旦那への怒りが湧いてきました

子供が出来ない事も、働く事になった事も、義母のお世話やお相手も

全部、旦那が原因なのに

感謝されても、嫌な顔をされる事は無いはずだ

旦那は家の事は何一つしない、自分の親なのに義母の事も何もしないし考えない

自分は働いてお給料を運んでくればいいだけとでも思っているようだ

自分は何もしないのに、自分には何でもしてほしいらしい

私は、旦那だから義母だからと頑張ってきたつもりだ

好きな物、好きな味付けで健康を考えて作ってきた

洗濯も、アイロンも気持ちよく着られる様にと気を使った

掃除も、お風呂ののタイミングも・・・

なのに、それは当たり前と思われていた

2人ともに1度も「ありがとう」と言われた事がない

義母にも毎日お昼ご飯を一緒に食べて、話し相手になっているのに・・・

私が目の前にいるのに顔色が悪いとか気に掛けて貰った事など無い

きっと、私の事は認識はしているが見ていないのだ

私は旦那にとっても義母にとっても透明人間なのだ

この家では私は私として生きていない

家事をする死人の様な物だ

悲しいより辛いより、空しさが襲って来た

こんな所にいたら、私は本物のゾンビになってしまう

明日から仕事を探そう

私は友人の言葉を思い出し背筋を伸ばした