hanaremon’s blog

小説や詩のブログ

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

君へ  8

妻の彼氏と言うべき男性が出て行ってから ひとまず妻の携帯にメールを出してみた 彼が来た事、とても心配していた事、近い内に出て行ってほしい事 既読にはなったが返事はない 僕の浮気が誤解だったとしてもこの何年間の家族の僕への仕打ちに対して 気持ちが…

貴方へ  Ⅷ

エレベーターを降り部屋に歩こうとした 歩こうとしたのに足が前に出ない 早く部屋に入らなければ彼の気持ちを無にしてしまう 私だって家出をしてから2日しかたっていない 離婚の為の1週間のはずなのに何かあってはいけないんだ それに私と彼は今日初めて会っ…

君へ  7

自宅の前で立ち止まって後ろに下がりながら家を眺めた この家も結婚が決まって2人で考えた末に決めた家だ それは覚えている でも、その後からの事を思い出せない 僕は本当に記憶喪失になっているのだろうか? 毎日お弁当を食べる生活も買い忘れたという理由…

貴方へ  Ⅶ

少し気まずい思いでお店まで歩いた 1人で食事に入るのは今度で2度目だ まだまだドキドキしながらだが、そのうちに慣れるだろう 引き戸を開けて中に入ると昭和的な定食屋さんだった ご飯やお味噌汁、小鉢に入った和え物や酢の物、アジフライやらサラダやら・…

君へ 6

人の記憶はあやふやな物だ 良い事は忘れるのに、悪い事はいつになったら忘れられるのだろう 歩きながらつくづく思った 自分の中の家族の思い出は「家庭内別居」が始まってからの物ばかりだ 娘達が小さかった頃の思い出までも打ち消されている 希望が見えた気…