hanaremon’s blog

小説や詩のブログ

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

貴方へ  XXIII (23)

緊張が解けた性で待合でウトウトしていたら看護師さんに起こされた。 「彼氏さん、頭の擦り傷と打撲だけで済みましたよ・・今から病室に移りますので・・」 頭に少し大きめの絆創膏を貼って、ストレッチャーに横になって居る拓斗が検査室から出て来た。 「一…

1人の夜は・・・。

こんな夜は眠れない 雨の音と珈琲と私だけの夜 いつもと違う居心地の悪さから つい、ベットの隅で丸まってしまう テーブルもソファもベットも2人分なのに 空いている場所が寂しがってる 珈琲の香りが少しずつ薄れていく 眠ってしまえばすぐに朝なのに 雨が止…

君へ  22

奴が余計な事を言うから、その日1日中彼女の事が頭から離れずにいて 「お前、まだ二日酔いか?」 と言われてしまうくらいボーっとしていたらしい 少しの着替えと仕事の書類などは持ってきているから4~5日はここで過ごさせてもらう予定だが、出来るだけ早…

貴方へ  XXII (22)

「・・もしもし・・」 「沙代里さん?・・やっぱりか・・君たち知り合いだったんだね」 「・・店長?・・」 「おかしいと思ったんだよ~、どうしてあんなに早く彼の耳に入ったのか、 どうして彼があんなに怒ってたのかって・・」 「これ、彼の携帯ですよね?…

君へ  21

彼女のメモから優しさが伝わって来て、胸が熱くなってしまった。 奴はまだ起きてこないが親しいとはいえ寝室まで覗くのは良くない 俺はソファで寝たからお味噌汁の匂いで目が覚めたが奴はそうじゃないから自分で起きるまでは寝かせておいた方がいいだろう。 …

貴方へ  XXI(21)

持ち場に帰った私は自分のレジを開けてお客様に 「次のお客様、どうぞ」と声を掛ける すると隣の列の2番目のお客様からこちらに来てくれる いつもの朝のお客様の顔は殆ど覚えている 「おはようございます。いつもありがとうございます」と言ってレジを始め…