2022-03-15 「約束」 詩 それは不器用で引っ込み思案な女の子の 楽しかった水色に輝く大切な記憶 雨上がりの虹色のしずくが 昼下がりの優しい風に揺れていた そんな水溜りの残る公園で 1人で何度頑張っても上手く飛ばない紙ヒコウキを 両手でそっと拾い上げ 空高く飛ばしてくれた見知らぬ男の子 振り向いた笑顔にやさしい魔法をかけられて いつまでも2人きりの公園で ドキドキしながら何度も空を見上げていた 「また明日」 そう言って手を振って走って消えた男の子 私も手を振って 「約束ね」って言ったけど あの日の「明日」はまだ来ない 見上げた空にはビルの間の飛行機雲が眩しい昼下がり